空手は護身術になるのか?真の強さを追求する武道の本質とは?
空手教室である当道場には、このようなお悩みやご相談が寄せられることがあります。
- テレビを見てさまざまな事件や海外のテロや戦争などの報道から、日本も治安が悪くなってきていると感じている…
- 子どもだけで遊んでいるときや、下校時などに不審者がいるのではないかと心配になる…
- 夜出かけるときなどに、一人で夜道を歩くのが怖い…
- 自分の身を守れるように、護身術を身につけたい(子どもに身につけさせたい)
- 空手は、護身術になりますか? etc
もし、そのように思っていらっしゃるのでしたら、どうか2,3分ほどお時間を取っていただいて、これからお伝えすることをご覧になってみてください。
ご覧いただくだけでも、今よりも日常生活を安心して送れるヒントをつかんでいただけると思います。
もくじ
空手は護身術になるのか?
こんにちは、日進市の空手教室「正道会館 靭優会」の山﨑と申します。
当道場は、2004年の創設以来1,000名以上の老若男女が「真の強さ」を求めて稽古を行ってまいりました。
現在は、約250名の会員さまが当道場で汗を流しておられます。
私の経験から申し上げますと、空手が強くなることは必ずしも護身につながるわけではございません。
しかし、かと言って護身術を身につけようとすることが必ずしも護身になるとも言い難いと思います。
まず、空手に関して申し上げれば、一般的に空手の稽古や試合は準備や環境が整った状態で行われます。
稽古にしろ、試合にしろ前から相手が来るとわかった状態で行われます。
つまり、相手を認識し、それに対峙する心と体の準備ができた状態で空手の技をくり出しているわけですね。
しかし、日常生活における護身は、急に後ろからつかまれたり、殴りかかられる状況に対応できなくてはいけません。
ですが、護身術であっても「後ろからつかまれる」や「急に殴りかかられる」という想定で練習が行われることが多いと耳にします。
このことから、空手・護身術、その他の武道に関わらず心と体の準備ができた状態での練習では突発的な事態に対応することは難しいのではないか?と私は考えます。
強くなること=護身ではない!?
以上を踏まえると、いかに突発的なことを突発的でないように対処できるか?が護身においては大切になります。
例えば、車が止まっていたら、急に人が出て来て連れ去られる可能性があるかもしれないと想定し、車のそばを歩かないようにすることは「護身」と言えます。
また、公園などで遊ぶときには「まわりに誰がいるのか?」、「まわりに何があるのか?」などにあらかじめ気を配っておくことも「護身」になります。
さらには、フラフラと何するでもなく歩いている人が襲って来る可能性があります。
であれば、歩きスマホや音楽を聴きながらの移動よりも、まわりの状況をつねに意識して移動するほうが「護身」になります。
このように、さまざまな事態を想定し、ある程度のことを“想定内”にしておくことも立派な「護身」です。
ちなみに、だだっ広いところで襲われることはあまりありません。
逆に、路地裏などの人目がつかなかったり、死角になりやすい場所のほうが危険でしょう。
最大の護身とは?
私が考える最大の護身とは、そもそも危ない場所に行かないことや危ない目に遭わないように考え、行動することです。
危険な目に遭ったときにどう対処するか?ではなく、そもそも危険な目に遭わない能力や技術を高めることのほうが大切ではないかと、私は考えております。
そして、せっかく武道を通じて心身を鍛錬するのであれば「今よりも自分自身を高める」ことを目的に取り組まれることをお勧めいたします。
たしかに、ニュースなどから治安の悪化が心配されます。
しかしかと言って、治安の悪化や危険を心配しすぎることもいいとは思えません。
そして、危険を回避することを前提に護身術や空手などの武道を身につけようとすることは、かえってご自身に危険を引き寄せかねません。
もちろん、最低限の準備は必要です。
ですが、例えば空手を通じて自分を磨いて自信がついたり、まわりに気を配れるようになると、しいてはそれらが学業や仕事に活きるようになります。
そのほうが、人生を豊かに健やかに過ごすことにつながらないでしょうか?
ちなみに、気配りができるようになるほど、その方は隙(スキ)がなくなります(武道以外のシーンでもです)。
その結果、危険を回避できたり、危ない目に遭いづらくなることは十分に考えられます。
逆に、日ごろからボケっとしがちであったり、歩きスマホをしている方などは隙が感じられ、狙われやすい傾向があります。
武道の本質とは?
さらに付け加えるならば「襲われたときに護身術を使う」というのは“戦い”としては、すでに後手(劣勢)に回っています。
どんなスポーツも、相手に対して優勢でなければ勝負に勝つことは難しくなります。
そして護身術や空手、あらゆる武道は、本来「戦わないための技術」だとも言えます。
例えば、相手と自分の間に圧倒的な力の差があるとわかれば、そもそも戦いにはなりません。
また、立ち居振る舞いから隙が感じられない人には、攻撃(したくても)できません。
ちなみに、隙(スキ)のある・なしは、私たちが認識している以上に“雰囲気”で感じ取れるものです。
ですので、つねに四方八方に気を配り、どこから何が起きても対処できる準備ができているような方からは、隙のなさを感じることができます。
そして、そのような方は危険を回避できる能力にも長けている傾向があります。
そのような「危険を未然に回避できる能力」、それこそが「真の強さ」だと私は考えております。
そこで、当道場では創設以来「真の強さ」を向上させることを目的として稽古を行っております。
いちいちマジになるな
余談ですが、武道を志す男性の中には自己の能力を過信して攻撃的になってしまう方がときどきおられます。
そして、そのような方はムダにトラブルを起こすことがあります。
本当に自分に自信があれば、心身に余裕があるのでケンカやトラブルが起こることはありません。
逆に、気持ちに余裕がないときほど、争いになってケンカやトラブルになりがちです。
トラブルを起こさないことも「護身」のひとつです。
そこで当道場では、普段からまわりに気を配り、心身に余裕のある状態を保てるようになることを道場生には伝えています。
またその一環として、とりわけ上級者の道場生には相手の攻撃に対して受け流したりかわすことを意識させています。
(上級者には)「いちいちマジになるな」と伝えることがありますね。
対人での組手稽古などでは、若い選手やまだ力量をコントロールできない初心者の方が、上級者の先輩道場生に対して力まかせに攻撃してくることがあります。
上級者と言えど、力まかせに蹴りや突きを食らえば“カチン”と来ることだってあります。
しかしそこで、心身の余裕がキープできなければ上級者同士での対戦では我を見失って劣勢となり、負けてしまうでしょう。
つねに、自分自身を向上させるうえでは心身の余裕は大切です。
そこで、どんな攻撃であっても受け流したりかわすことは、心身の余裕をキープするための稽古だと考えております。
空手で身を護ることはできますが…
もちろん、どれだけ気をつけていても突発的な事態を避けられないことも実際にはあると思います。
そのとき、空手を身につけておけば、万が一襲われた際の最終手段としての護身術にはなり得ると思います。
ですが、それはあくまで“最終手段”です。
(再三のくり返しになり恐縮ですが)そもそも襲われないようにすることのほうが大切です。
そして、危なそうな場所に行かなかったり危なそうなことをしなければ、危険な目に遭うことってほとんどないと思うんですね。
それらを踏まえると、空手を志す私としては危ない目に遭わないために護身術や空手をするのではなく、もっと日々の生活がより充実したり豊かになることを目的として護身術であったり空手であったりその他の武道を学んでいただきたいと思っております。
まわりの人も守れるようになります
「真の強さ」とは「危険を未然に回避できる能力」だと、先ほどお伝えいたしました。
そして、ご自身が強くなれば、まわりの方たちも守れるようになります。
ただ(すでにおわかりのとおり)、このときの「守る」とはトラブルが起きたときにその方を守ることではありません。
そもそも、トラブルにならないようにしてあげることが「守る」ことです。
例えば、お子さまが公衆の場で走り回って誰かにぶつかったりするとトラブルになる可能性があります。
それを想定したうえで、走らせないようにしたり、目一杯走り回っても大丈夫な場所に連れて行ってあげることも守ることです。
このように、みなさんのまわりに気を配れる人が一人いれば、そこにいる多くの仲間を守ることができるようになります。
「守る」とは、みなさんがお過ごしのその場を問題なく過ごせるように配慮できることだと考えております。
このような能力も、まぎれもなく「真の強さ」です。
なぜ私は、稽古で話を聞いていないときに叱るのか?
「真の強さ」を追い求めることは、老若男女を問いません。
そのため、とりわけ子どもクラスの稽古においては“私の話を聞いていないとき”に、そのお子さまを叱ることがあります。
私は、空手の技ができないことで叱ることはありません。
それよりも、話を聞いていないことのほうを叱ります。
なぜなら、話を聞いていない状態とは、隙ができていつ何かが起きても対処ができない状態だからです。
そのときには、こんな風に伝えています。
- 「話聞いてた?もし今これが命に関わるようなときだったらダメだよね」
- 「ボケっとしてて、車が来ているのに道に出ちゃったら死んじゃうよね」
- 「普段は、たくさん失敗してもいいけど、失敗できないときには絶対に失敗しないようにしようね」 etc
もちろん、話を聞いていないときであっても感情的に怒ることはありません。
また、まわりに“気を配る”ですとか“人の話を聞く”というのは「いつ何時もボーッとしてはいけない」ということではありません。
日々の生活では、ボーッと何も考えない時間も必要です。
しかし一方で、誰しも人生において失敗ができない“ここ”という場面が必ずあると思うんですね。
そのような“ここぞ”の場面で、確実にきちんと対処できるための一環として“話を聞く”ことが大切だと考えております。
そして“ここぞ”の場面のために、日頃から失敗はたくさん経験しておくべきだとも思います。
ちなみに、技ができなくて叱ることはないと先ほどお伝えしました。
例えば「高く蹴る」ことは、すぐにはできないこともあるので叱ることはしません。
ですが、毎回ずっと同じポイントを注意されていたらそれは話を聞いていなかったり隙がある状態です。
その場合には、注意することがあります。
このようにして、私も道場生から学ばせていただきながら、真の強さを日々追い求めて鍛錬を行っております。
最後に、真の強さを高めたい方へ
もしこれをご覧のあなたも、真の強さを追い求めながらよりご自身の人生を豊かにしたいと思われたのなら。
そしてその結果、ご自身やまわりの方たちを守れるようになりたいとお考えでしたら、一度、当道場のおためし稽古にお越しいただければと思います。
当道場は、年齢や体力に合わせて稽古しております。
ここまでご覧いただいてご理解いただけていると思いますが、厳しいシゴキはありません(笑)。
最近では、女性の会員さんも増えてきております。
ぜひ、一緒に稽古ができればうれしく思います。
最後まで、お付き合いくださいまして感謝申し上げます。
押忍!
おためし稽古に参加してみませんか?
もしあなたが空手を通じて、人生を豊かに生きる「真の強さ」を育みたいとお考えなら、当道場のおためし稽古に参加してみませんか?
当道場の生徒さんは、稽古を体験されてから入会を決められる方もいらっしゃいます。
空手がまったくはじめてという方も、難しいことはありませんのでご安心ください。
まずは空手を、当道場の稽古を体験してみていただきたいと思います。
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