体操・運動で体幹力の強化を!〜子どもたちの身体能力低下に対する懸念〜
集中力がなくて落ち着きがないし、ガマンができない。外でのストレスを家で発散してるようにも見えるので、運動することでストレス発散になるのかなと。また、自信がつけば自制心も身につくんじゃないかと思って。
愛知県日進市の空手道場「正道会館 靱優会」の山﨑です。
当道場にお子さんをお預けくださる保護者の方々から、上記のお悩みやご要望を伺うことがございます。
改めて、当道場および空手が求められていることは、単に強さを追い求めることだけではないと感じます。
そのうえで、長年、私が子どもたちを観察してきた経験から、保護者のみなさまのお悩みを解消するヒントをお伝えしたいと思います。
ズバリ、キーワードは「体幹力」です。
もくじ
落ち着きがないのはお子さんのせいではありません
本音を申し上げますと、落ち着きがないお子さんは道場をはじめたころから一定数はいました。
しかし、その比率が年々増えてきていると感じております。
また「以前なら、この年代でできた」という動作ができない子どもたちの比率も増えています。
年々、それらの比率が増えていくにつれて、私はその原因が子どもたちの「体幹力の低下」であることを突き止めました。
「体幹(たいかん)」は、体の中心部を指します。
体幹には、腹筋や背筋のほかに肩甲骨や股関節周辺の筋肉、さらには太ももやふくらはぎなどの筋肉も含まれます。
それらが最適に働くことによって、正しい姿勢を維持したり疲れにくい身体を実現することができます。
しかし、現代の子どもたちはほんの10年ほど前の子どもたちと比べても体幹力が低下しているように感じます。
体幹力の低下を感じるとき
当道場では、道場を開いたときから、つぎの“3つの約束”を掲げてきました。
「話を聞く、大きい声で返事、姿勢を正す」
以前は、それらを意識すればできている子どもたちが大半でした。
しかし現代は、意識してもできないお子さんが増えて来ていると感じます。
いえ、厳密に言うと、意識してもできないような“身体状態”になってきているお子さんが増えて来ていると感じます。
おそらく、正しい姿勢を維持することがキツいと感じるお子さんが増えているのだと思うんですね。
なので、こちらの話を聞いている余裕がないのだと思います。
そのため、私のほうで稽古のやり方をゆっくり丁寧に説明していても、それを見ていなかったり、見ているようで耳に入っていないことが見受けられます。
また、ちゃんと話を聞いていたとしても、自分で自分の身体を思うように動かせないケースもあります。
そして、そのような子どもたちに共通しているのが「集中がつづかず、姿勢が悪い」ことです。
これらの原因が「体幹力の低下」だと私は考えております。
体幹を支えておく筋力が弱いため、すぐに姿勢がぐにゃっとなってしまうんですね。
別の言い方をするなら、お子さんは、シャキッとしないのではなくシャキッとできないんです。
これが、稽古が思うように進まず、上達しづらくなっている要因だと私は認識しております。
大人は、あまり知りません
誤解を怖れず申し上げますと、この事実をご両親やまわりの大人の方たちはあまりご存知ではありません。
なぜなら、比較対象する存在が身近にあまりないからです。
もし、お子さんを比較するとしたら、おそらくまわりの同年代のお子さんと比べることが多いのではないでしょうか?
しかしその場合、同じ年代くらいのお子さんとでは身体能力的に大差がありません。
そのため、お子さんの体幹力が低下していることには気づきづらいものです。
もしかしたら、10歳くらい離れているご兄弟が小さかったときと比べることができれば、違いを認識できるかもしれません。
ですが、10年前の子育てのことは、なかなか覚えていられないものではないでしょうか?
子どもたちの身体能力が低下傾向にある一因としては、生活様式の変化があると思います。
家具や家電、住宅などの安全性や利便性が向上したことで、ちょっとした身体を使う動作が全体的に少なくなってきていることが考えられます。
また、安全面の配慮から、外で体を使って遊ぶことが年々、減って来ていることも考えられます。
さらに(補足的には)、保護者のみなさんが子どものころと比べると、世の中全体的に「話を聞く、大きい声で返事する、姿勢を正す」といったことを厳しく言われなくなってきていると思うんですね(もちろん、何でも昔がいいわけではありません)。
いずれにしても、日常生活で身体を支える習慣が少なくなっていることが体幹力の低下につながっているのではないかと、私は考えております。
姿勢が悪く→集中がつづかない→話が聞けない→稽古ができない→上達しない→注意される→自信が持てない
私の長年の指導経験から、この状態で空手がうまくなったお子さんは今まで皆無です。
体幹力の強い子との差が大きくなる
もちろん、現代でも体幹がしっかり強い子もいます。
そして、体幹が強いお子さんは、姿勢がよく集中力が高い傾向があります。
こちらの話もしっかり耳に入ったうえで稽古していますので、上達も速くなります。
そして、上達すれば空手をおもしろいと感じますし、自信にもなるので、ますます練習するようになり、どんどん上達することができます。
それだけでなく、空手以外の面でも違いが生じていると感じます。
体幹の強い子のほうが、学級委員になったり、勉強もできたり、他のスポーツでも優秀な成績を収める傾向があるんですね。
やはりそれは、姿勢や集中力と関係があると私は思います。
ここまでのことを踏まえますと、体幹力の強い・弱いによって学年が上がるほど身体能力や空手の上達度の差が大きくなります。
そして、お子さんが落ち着きがなかったり自信がないのは、性格や気持ち、気合いの問題ではありません。
体幹力の低下が原因です。
そこで、お子さんが本来の力を十二分に発揮できる身体のベースである体幹力を高めるために、当道場で新たにはじめたのが「キッズクラス(年長〜小1対象)」です。
45分間、夢中になっています!
体幹力を高めることが、お子さんの将来に影響をおよぼします。
だからこそ、できるかぎり早い時期からお子さんの体幹力を高める機会を持ってあげてほしと思います。
そこで、当道場で新たにはじめたのが「キッズクラス(年長〜小1対象)」です。
ちなみに、年齢が小さいほど能力に関わらず集中はつづかなくなります。
また、大人が「こうしなさい」と説明しても通じないことも多くなります。
そのためキッズクラスでは、ことさらに説明したり注意してできるようにさせるのではなく、運動の中で体幹やその他の身体能力を高めることを目的としています。
その結果、“自然に”姿勢がよくなり、集中力も高まって、話が聞けるように成長することをめざしています。
具体的には、トランポリンで跳ねる、メディシンボール(重たいボール)を投げたりキャッチする、ロープの上を歩いたり、足場の悪い上を歩いてバランストレーニングなどを行っています。
もともと当道場は、空手専用の道場のため地面には柔らかいマットを敷いています。
ですので(変な言い方ですが)、安全に転ぶことができます。
45分間、動きっぱなしの稽古ですが子どもたちは夢中になって取り組んでいます。
体幹力は、本来であれば遊びの中で身につく力ではありました。
しかし時代の変化に伴って、当道場が「今、子どもたちに必要な力を育てる役割」を時代から要請されているのだと認識しております。
たとえ、週1回の稽古であっても、意図的に45分間、集中力を切らさずに取り組むことで、体幹は自然に強くなります。
そして、稽古の中では“さりげなく”空手の基本動作も取り入れております。
それによって、その先の空手の稽古へのスムーズな移行も実現できております。
体幹が強くなるとこんないいコトが!
体幹力が向上すると、大きい声が出せるようになります。
日常的に、大きい声を出す機会はあまりないかもしれません。
ただ、いざというときに大きい声を出せるということは体幹力が強い証拠でもあります。
また、手先・足先までも身体をコントロールできるようになります。
例えば、体幹力が弱いお子さんはつま先をまっすぐしているつもりが開いていたり、物を上手に握れないことがあります。
これらは、ひとつひとつの動作を意識して行なっていないからだと思われがちです。
しかし実際は、体幹が弱くて正しい姿勢がキープできないために、結果として手足のコントロール・キープもできなくなっているというほうが正しいでしょう。
さらに、体幹が強く、正しい姿勢をキープできると、内臓も正しい位置をキープでき、本来の働きを行うことができます。
その結果、健全に成長できますし、運動能力も伸びやすくなります。
また、集中力も持続しますので学業にも好影響をおよぼします。
団結力や達成感で溢れています
そして、保護者のみなさんが特に気にされるところなのですが、まわりから見たときの見た目の印象にも大きく関わります。
姿勢のいい・悪いは、意外とまわりからよく見られています。
姿勢が悪いと自信なさげに見えますし、逆に姿勢がいいと信頼感が高い印象がします。
現代は、体幹力の弱いお子さんが増えているからこそ、逆に姿勢のいい子が目立つようになってきています。
結局、あらゆる問題の行き着くところは「体幹力」であると、私は考えております。
以上のことから「体幹力」は、お子さんの将来に大きく関わっています。
そこでキッズクラスは、体幹力の向上および空手以前の運動の基礎、身体の基礎能力向上を目的として行なっております。
またキッズクラスでは、綱引きやリレーなども行なっており、そこから子どもたち同士の団結力も育っています。
45分間、動きっぱなしの子どもたちの表情には達成感が溢れています。
長い目でお子さんの力になる習いごとを
最後に、少し空手に関することもお伝えさせてください。
私は、子どものうちに試合で勝つことは二の次だと考えています。
そのため当道場では、とりわけお子さんは「長い目で見たときに、その子のためになることをやりたい」という考えで稽古を行なっております。
もちろん“今”も大切ではあります。
ですが、できるかぎり目先のことではなく、後になって「あれやっといてよかったな」と思える経験や力を育ててあげたいと考えております。
目先の勝ち方を覚えるよりも、人間として根源的な能力であったり、身体を動かす基礎的な力を身につけさせてあげたい。
私自身がそのような考えですので、空手にかぎらずお子さんの習いごとはどんなことも長くつづけられて、それによってお子さんの将来において基礎的な力になるものをやらせてほしいと思っています。
また当道場では、空手だけが強くなるのではなく、空手を通じて継続的に努力できる力が身につくことを重視しております。
なぜなら、それによって他の分野でも成果を挙げ、自信が持てるようになってほしいからです。
事実、空手を長くつづけているお子さんほど、中学生くらいになると「空手をやってきたことが他のことにも活きているし、他のことをやるときにも自信を持ってできている」と言ってくれています。
これからも、当道場「正道会館 靱優会」は時代の変化に合わせながら、空手を通じて子どもたちに必要な力を育てる道場でありたいと思います。
もし、当道場および空手に興味をお持ちくださったのでしたら、まずは体験稽古をお試しください。
長い目でお子さんの力になることを信じて、当道場にお越しいただければと思います。
お子さんの、健やかな成長をサポートできれば幸いです。
最後まで、お付き合いくださいまして感謝申し上げます。
押忍!
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もしあなたが空手を通じて、人生を豊かに生きる「真の強さ」を育みたいとお考えなら、当道場のおためし稽古に参加してみませんか?
当道場の生徒さんは、稽古を体験されてから入会を決められる方もいらっしゃいます。
空手がまったくはじめてという方も、難しいことはありませんのでご安心ください。
まずは空手を、当道場の稽古を体験してみていただきたいと思います。
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